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英語を勉強して話せるようになるまで:方法とプロセスを解説

目次

英語を勉強して話せるようになるのは大変:

日本人が英語を学ぶのは大変です。
両言語は世界的に見て、言語構造が対極にあるからです。
だから、英文法の習得は苦労を伴います。
ひらがな、カタカナ、漢字を扱う日本人が英単語を覚えるのも大変です。
12歳の時、英語の習い始めで「friend」というスペリングをなかなか覚えられなくてイライラしていた記憶が昨日のことのように思い出されます。
必然的に、英語の文章を読む作業を苦痛に感じる日本人は多いはず。
目で見える文字がなく、耳で聴くだけで相手の言うことを理解するリスニングはもっと大変です。
受け身でなく、自分で考えて言葉を発して相手に意思を使えるスピーキングは、さらにハードルが高い。

以上のことを考慮すると、スムーズに言葉のキャッチボールをすることが要求される英会話は、本当に高度な技術だと思います。

この記事では、英会話を習得するまでのプロセスと方法を、自分の体験を元に書いていきます。

初めての海外出張での屈辱:

時代はまだ20世紀だったころ。
上司と先輩に同行し、ドイツに出張する機会を得ました。
公的な研究機関を訪問し、委託した新規技術の完成度を検証確認するのが目的です。
ホテル到着後、時差ボケでボーっとしていた私の前に現れたのは、身長190cm以上で体重が150㎏はあろうかという大男のドイツ人。
顔を引き攣らせながら「Nice to meet you」と挨拶しました。
研究機関に移動した後、研究者の人達はみんなドイツ人で、英語を操っていました。
まあ、ネイティブスピーカでなないので、大した英語はしゃべっていませんでしたが、それでも当時の私には難しく感じました。
ドイツ人特有のなまりもひどかった。
私は、自分の想いを英語にスムーズに変換できないもどかしさを感じつつ、身振り手振りも混ぜて、何とか意思の疎通を図っていました。
当時、NHKの英会話講座をラジオで聞いていたおかげで英語表現の蓄積があり、それが少しは役立ちました。
なんの準備もしていなかったらどうなっていたか、今考えてもゾッとします。
仕事上のやり取りはまだマシです。
大変なのはオフタイムでの会話でした。
ホテルのラウンジで、別の外国人グループ(記憶ではアメリカ人)に話しかけられたのですが、何を言ってるのかさっぱりわからず、目が点(・.・;)状態。
同席していた先輩は外国駐在が長いので流暢に英語を操り、楽しそうに雑談していました。
その様子を羨望の眼差しで見ていました。
自分の圧倒的な知識不足を痛感したのです。
仕事の内容よりも、英語で悔しい思いをしたことの方が強く記憶に残っていますね。

一念奮起して英語の勉強を始める:

当時の私はまだ二十代で若かった。
将来のことも考え、このままではいけないと思い、一年奮起、英語の勉強を頑張ることにしました。
当時はインターネットもなく、英語学習ノウハウを気軽に入手することは出来ませんでした。
とりあえず、新聞に広告が載っていた「イングリッシュアドベンチャー」を試すことにしました。
「追跡」というシリーズでは、リスニングだけでなく、文法の復習も出来るので一石二鳥です。
テキストで英文を確認しつつ、「ゲームの達人」もすべて聞きました。
オーソンウェルズのしゃべりはゆっくりで分かり易く、様々な自然な英語表現を吸収できました。
30歳を超えたあたりである大学院の通信教育を受けていたのですが、心理学系の専門書を英語で読んだのもプラスになったと思います。
TOEIC用の対策は全くしませんでしたが、社内のIPテストで500~600点くらい取れるようになりました。

TOEICの点数アップ作戦開始:

会社が本格的にTOEICに力を入れ始めたのを契機に、私は点数アップを本格的に意識しました。
会社が英語学習テキスト費を補助してくれたので大量に買い込み、独学に励んだのです。
(当時の齢は、40歳を裕に超えていた)

・TOEIC公式問題集など対策本
・英会話のフレーズ集
・英英辞典
・英語ニュース
・英字新聞
・ライティング演習本
・通訳用の英訳術解説本
・・・

TOEICで900点を超えたいと思いつつも、TOEICの点数のみにこだわった勉強には抵抗がありました。
幅広く取り組み、本物の英語力を身に付けたかったのです。

ネイティブのアメリカ人が職場にやってきた:

TOEICのIPテストで700点を取った直後、アラサーのアメリカ人男性が中途入社してきました。
白人で金髪の青い目。
190CMを超える長身なので、一緒に歩いているとかなり目立ちます。
彼は、アメリカの大学院を卒業したエンジニアで、腕に入れ墨をしていました。
ジョブフェア―でマッチングし、応募したそうです。
1週間だけ基本的な研修を受けて、私がいる部署に配属され、席は隣同士になりました。
日本語はしゃべれなくはないですが、うまくはない。
というより、かなり下手。
こうして、青い目のエンジニアと英語だけでやり取りをする環境が整いました。
仕事で給料をもらいながら、英会話の練習もできる環境は、なかなか無いと思います。
周囲が日本人ばかりなので、彼は、スラングを排した丁寧な英語をゆっくりしゃべってくれました。
英会話初心者の私には好都合の条件がそろっていたのです。
今考えれば、かなり恵まれていたと思います。

英会話をする場面:
・併設工場の現場案内
・社内手続の説明
・事務所作業
・現場作業
・雑談(休憩時間や飲み会)
・その他諸々・・

私は英会話のまともな訓練は受けておらず、経験もほとんどなかったので、会話の事前シミュレーションは必須でした。
英語表現は、TOEIC対策本、英字新聞、洋画などから流用し、自分でアレンジしました。
実践すれば当然、表現や発音の間違いがあったり、新しい表現を発見したりします。
会話後に場面を思い起こし、間違いを繰り返さないように心がけました。
そして、次の会話準備をして再び実践。
このサイクルを繰り返すうちに、英語表現の引き出しが増えていきました。
そして、事前準備しなくても自然にやり取りできることが多くなっていきました。

ネイティブアメリカ人の彼とは、同じエンジニア同士。
技術的な妥当性を一緒に検討することもしばしばでした。
例えば・・・
ある技術サイト(英語)が馴染みのない言葉だらけなので彼に助けを求めたら、スムーズに解読してくれて、根拠になり得ない情報源であると判断。
彼に別の情報源を提供してもらい、その内容を説明してもらった結果、信頼できる根拠が存在すると私も納得し一件落着・・・

いつの間にか、英会話することにあまりストレスを感じなくなっていました。
彼と一緒に仕事をしたのは約3年半。
私自身、随分と進歩したと思います。

しかし雑談については、なかなかスムーズに行かない。
話題が多岐にわたる上に、事前準備が困難だからです。
雑談で不自由しなくなったら一人前でしょうね。

英語を話せるようになって変わったことなど:

決して流暢とは言えませんが、英会話を実践するようになって変わったこと、感じたことを箇条書きしましょう。

・インプットだけでなくアウトプットも出来るようになったので自信につながった。
(アメリカ人の彼と一緒に、取扱説明書の英訳作業をしたときは、ライティングの訓練にもなりました)
・構造がかなり異なる二つの言語を操ってると、明確に認識するようになった。
・試しに使ってみて相手に伝わった表現は一生忘れない。小さな成功体験の積み重ねが進歩であると思った。
・会社内で英会話していると周囲の人間に驚かれる。
(「留学でもしてたの?」とよく訊かれた。もちろん、したことないです)
・ネイティブスピーカーとの英語力の違いを認識するようになった。
語彙数、表現の豊かさ、瞬発力、柔軟性・・・
ネイティブスピーカーの感覚に近づけば、洋画をより楽しめるようになるんでしょうが、
そのためには、「年単位の海外在住+英語漬け生活」が必要なのかもしれません。

日本人と外国人の違い:

まあ、同じ人間ですから共通点ばかりなのですが、それでも違いを感じることはありました。
ネイティブアメリカ人の彼は、重低音を響かせて腹の底から声を出していました。
日本人は口先でボソボソという人が多いので、頼もしく感じられましたね。
彼は少しシャイな性格でしたが、それでも、しっかり自己主張する姿勢が印象に残っています。
表現に曖昧さがなく、分からないことは分からない、出来ないことは出来ないとハッキリ言います。
また、日本人のような忖度を彼に期待するのは無理だと感じました。
忖度に相当する英単語は存在しないのではないでしょうか。
さらに、職務割り当て(job assignment)を重視するあまり、交代で掃除する雑用に戸惑っていた様子でした。
「こんなの俺の仕事じゃねえ!」と声に出して言いませんでしたが、顔の表情から読み取れます。

まとめ:

英会話という高度な技術は自然には身に付きません。
英語環境に飛び込み英語漬けになっていれば、そのうち何とかなるものでもありません。
緻密な事前準備が肝なのです。
TOEIC700点レベルの基礎力は最低限必要でしょう。
文法が不完全で語彙の不足している者が片言でやり取りしても、実力はすぐに頭打ちとなります。
相手にも迷惑をかけます。
自分が納得のいく高度な議論をしたければ、英語のインプットに精を出し、英語力を高めておく必要があります。
「AI(人工知能)が発達すれば、スマホアプリが通訳の代わりをしてくれるのでは?」と期待する人もいますが、それは無理でしょう。
どんなにAIが進歩しても、それだけに頼っていては真意が伝わらず、誤解やトラブルの元になります。

理由:
・日本語と英語の構造があまりに違い過ぎる。
・会話は文法的にも不完全になり易い。
・スラングも多い。
・・・

AIに通訳や翻訳を依存するリスクは、まともに外国語を学んだことのある人ならば理解できると思います。

最後に:
この記事では、英会話を実践して身に付けるまでのプロセスを個人的な体験に基づいて述べてきました。
これから英会話を勉強する人たちの参考になれば幸いです。

以上

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