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TOEICの世界は桃源郷なのか?
「金のフレーズ」で有名なTEX加藤氏は、TOEICの世界について言及することが多いですね。
「金のセンテンス」の息抜き用ページで、「TOEICの世界に存在しないこと」と「TOEICの世界にありがちなこと」を列挙しています。
以下に一部を引用します。
「TOEICの世界に存在しないこと」
・戦争
・犯罪
・事故
・災害
・酒やタバコ
・葬式
・ブラック企業
・雰囲気の悪い職場
・サービス残業
・懲戒解雇
・仕事の愚痴
・人間関係の悩み
・パワハラやセクハラ
・不倫や離婚
・自己破産
・悪意や妬み
・・・・
「TOEICの世界にありがちなこと」
・チャリティイベント
・華麗な転身
・ホワイト企業
・上司の理解
・同僚のサポート
・カンパニーピクニック
・昇進
・退職パーティ、歓迎パーティ
・絶賛レビュー
・他人への善意や感謝
・・・・
TOEICの世界には、現実世界の汚らしい部分が欠落しています。
人間の本質的な部分、ドロドロした人間の醜さ・弱さが、TOEICの世界には存在しないのです。
もちろんトラブルやミスはありますが、前向きに協力して行動する様子が描かれており、陰湿さや嘘が見当たりません。
これは、まさに桃源郷といえるでしょう。
TOEIC対策だけに絞った勉強法の限界:
TOEICは公平で客観的な評価方法が売りであり、それが長年に渡って積み上げられてきた信用の裏付けになっています。
ある特定分野の知識・経験が有利になったり不利になったりしないように問題作成上の配慮がされています。
そうすると必然的に、桃源郷のような世界が作られてしまうのは仕方ないのかもしれません。
TOEICの点数を上げるための勉強とは、桃源郷の英語表現に対応するための勉強といえます。
英語学習上それは有用なのですが、現実世界で使われる英語と乖離していることを意識する必要があると思います。
TOEICから離れた時、次のような違和感を感じた人も多いのではないでしょうか?
・TOEICの点数は良いのに英字新聞をスムーズに読めない。
・TOEICの点数は良いのに英語ニュースが聞き取れない。
・TOEICの点数は良いのに洋画が聞き取れない。
・TOEICの点数は良いのに英語での意思の疎通がイマイチ。
・TOEICの点数は良いのに洋書の読解に難あり。
上記の媒体には、現実世界の汚らしい部分がたくさん登場します。
人間の弱さや醜さが表現されたドロドロした世界です。
現実問題に対処すべく悩むけど、先が見通せないことも多く語られます。
善意に溢れた人間関係は稀です。
従って、話の内容や文脈はもちろん、使われるフレーズや語彙もTOEICとは異なります。
TOEICの綺麗な世界にドップリ浸かっている人が違和感を感じるのは無理のないことだと思います。
TOEICをきっかけにして世界を広げる方法:
我々が英語を勉強する主な目的は、現実の問題に対処して解決することではないでしょうか。
日本語だけではコミュニケーションの手段に不自由するから英語も身に付けるのです。
TOEICの点数は学習の成果を測るのに便利ですが、TOEICの世界を極めるのが目的ではありません。
現実問題に対処できなければ、良い点を取っても意味がないのです。
現実問題に対処するには、現実の生々しい英語世界を知る必要があります。
TOEICで英語の基礎を身に付けたら、それを踏み台にして世界を広げることが肝要です。
私の経験から言うと、TOEICで700点を超えたら、以下のことに取り組んで良いと思います。
・英字新聞を読む。
・英語ニュースを視聴する。
・好きな洋画を見る。
・英会話に取り組む。
・内容に興味がある洋書を読む。
・分からない単語は英英辞典で意味を調べる。
私はTOEICの点数を上げるべく公式問題集などに取り組んできました。
しかし、それと並行して上記の実践を行い、多様な英語に触れることもしました。
TOEIC対策だけに専念していたわけではないのです。
それゆえ、TOEIC:530点→950点に至るまで約2年半かかりましたが、色んな寄り道も楽しいものです。
効率良く点数を上げるのが全てではありません。
「TOEICの点数を効率よく上げられれば、それでいい。他のことには興味がない」という人には、多様な英語世界なんてオススメしません。
しかし、自分の世界を広げたい人は、いろんな媒体に手を出して現実の英語に触れてください。
まとめ:
「いろんな媒体に手を出して自分の世界を広げようと言われても、具体的に何をすればいいか分からない」という人もいるはずです。
下に参考記事のリンクを貼りましたので、興味がある人は読んでみてください。
↓↓
英語の新聞を読みたいなら、まずはコレから始めよう!
何らかのヒントになれば幸いです。
以上